【生物学1】私たちの体を守る生体防御機構と免疫の仕組み(白血球)

私たちの体を守る生体防御機構と免疫の仕組み

こんにちは!今回は、私たちの体がどのようにして細菌やウイルスなどの異物から身を守っているのか、分かりやすく解説していきます。医療や生物の基本となる大切な部分なので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

免疫に働く白血球と食作用

細菌などの異物が体内に侵入したとき、好中球やマクロファージ、樹状細胞はそれを取り込み、分解・消化する食作用(貪食作用)を持っています。

  1. 食細胞: 食作用を持つ細胞のこと。
  2. リソソームとの融合: 食作用で取り込んだ異物を含んだ小胞は、リソソームと融合します。リソソームに富み、リソソーム中の分解酵素によって異物が分解されます。
  3. 抗原提示: 貪食され分解された異物の断片は、リンパ球に抗原として提示され、リンパ球によって異物が特異的に排除されます。

生体防御に関わる細胞たち(白血球の仲間)

血液や組織の中には、さまざまな防御に関わる細胞が存在しています。

(1) 顆粒球

白血球の一群で、細胞の中に殺菌作用のある成分を含んだ顆粒を持っています。

  • 好中球: 白血球の中で最も数が多く、約50〜70%を占めます。感染の初期に異物に向かって遊走し、細菌のような比較的小さい異物を食食(貪食)し、分解します。
  • 好酸球と好塩基球、肥満細胞: 好酸球は血中白血球の約1〜2%、好塩基球は約1%を占めます。寄生虫感染症やアレルギー性疾患で増加し、細胞毒性を持つ物質や炎症を引き起こす物質を放出し、組織内には肥満細胞が存在し、ヒスタミンを放出します。

(2) 単球、マクロファージと樹状細胞

  • 単球: 血中白血球の約5%が単球であり、組織中に出てマクロファージや樹状細胞となります。これらは食作用と遊走作用を持ち、体内へ侵入した抗原を食食し、取り込んだ異物の断片を、T細胞に抗原として提示する抗原提示細胞として働きます。
  • マクロファージ: 寿命は数か月〜数年と長く、肝臓のクッパー細胞、脳のミクログリア、骨の破骨細胞という固有の名前を持ちます。
  • 樹状細胞: 末梢で樹状の突起を伸ばして抗原提示に働き、皮膚のランゲルハンス細胞は樹状細胞の一種です。

(3) リンパ球

リンパ球の寿命は数日〜数十日のものが多いですが、一部は免疫記憶細胞(メモリーB細胞やメモリーT細胞)に分化し、数十年の寿命を持ちます。

①T細胞: 胸腺で分化・成熟します。

  • ヘルパーT細胞: サイトカインを放出して、B細胞の分裂や抗体産生、マクロファージの病原体破壊作用を促します。
  • キラーT細胞: ウイルスなどに感染した細胞を破壊します。
  • 制御性T細胞: 過剰な免疫反応を制御します。

②B細胞と形質細胞: 骨髄や脾臓で分化・成熟し、抗原を認識すると活性化され、大量に増えて形質細胞に分化して抗体を産生します。

③NK細胞:癌細胞やウイルス感染細胞などを攻撃破壊する自然免疫に関わる

免疫に働く液性因子

免疫を支えるのは細胞だけではありません。さまざまな液性因子が働いています。

  • サイトカイン: 細胞間の相互作用に働くタンパク質です。白血球から分泌。インターフェロンはウイルスの増殖を抑え、インターロイキンは免疫系細胞の活性化や炎症・発熱を起こします。
  • 補体: 炎症反応、食作用亢進、細胞溶解作用などに働き、食細胞の食作用を促進するオプソニン作用があります。
  • 抗体(免疫グロブリン): 形質細胞から産生されるタンパク質で、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類があります。凝集作用やオプソニン作用を持ちます。

自律神経と免疫・血流のコントロール: 免疫細胞の働きや血管透過性の亢進は、自律神経系や液性因子(サイトカインなど)によって密接にコントロールされています。鍼灸刺激による自律神経の調整は、過剰なアレルギー反応の抑制(制御性T細胞の関与など)や、生体防御機構のバランスを整えるうえで非常に大きな意味を持ちます。

様々な免疫応答とアレルギー

(1) 液性免疫と細胞性免疫

  • 液性免疫: 抗体の働きを主とした免疫で、抗体が抗体を攻撃します。
  • 細胞性免疫: 免疫細胞が抗原を直接攻撃する機構で、キラーT細胞などが感染細胞やがん細胞、移植された臓器を攻撃して破壊します。

(2) 一次免疫応答と二次免疫応答

  • 一次免疫応答: 初めて異物が侵入したとき、抗体が1〜2週間かけてゆっくり作られます。
  • 二次免疫応答: 同じ異物が再度侵入したときに、免疫記憶細胞により速やかに大量の抗体を長期間に渡って産生し、感染を予防します。

(3) 炎症

炎症が起こってから、異物を除去し、組織が修復されるまでの流れを示しています。

① A:炎症の開始

  • 微生物などが組織に侵入する。
  • 肥満細胞からヒスタミンが放出される。
  • ヒスタミンの作用で細動脈が拡張し、血流が増加する。
  • 毛細血管の透過性が高まり、血漿タンパクなどが組織へ出る。
  • その結果、発赤・熱感・腫脹などが起こる。

② B:白血球が炎症部位へ移動

  • 血管からまず好中球が炎症部位へ遊走する。
  • 続いて単球が血管外へ出て、マクロファージになる。
  • 好中球やマクロファージが微生物を食作用(貪食)によって取り込む。
  • 抗体や補体も微生物の排除を助ける。

③ C:異物の除去と組織修復

  • マクロファージなどによって微生物や壊れた組織が処理される。
  • その後、線維芽細胞が働いて組織の修復が進む。
  • このようにして炎症が収まり、損傷した組織の修復へ移行する。

⭐ 一発で覚えるなら

「ヒスタミン → 血管拡張・透過性↑ → 好中球 → マクロファージ → 貪食 → 線維芽細胞 → 修復」

つまり、

A=炎症を起こす → B=異物を除去する → C=組織を修復する

「炎症の5大徴候」と気血の滞り: 鍼灸施術で扱うコリや痛み、あるいは慢性的な炎症部位は、西洋医学的な「発赤・熱感・腫脹・疼痛・機能障害」の微細な表れと捉えることができます。局所の血流改善や毛細血管の血流増加を促す鍼灸刺激は、好中球やマクロファージの遊走を助け、組織修復(肉芽組織の形成)をスムーズにするサポートになります。

(4) アレルギー

本来なら害のない物質(アレルゲン)を認識・記憶して、免疫反応が過剰に働き、自分自身の組織を壊すなどの症状を引き起こす反応です。スギ花粉症やアトピー性皮膚炎、気管支喘息、アナフィラキシーショックなどが知られています。