【生理学3】ホルモンってなに?どこから出るの?内分泌系とは?

ホルモンってなに?どこから出るの?

内分泌系とは?

・内分泌…内分泌細胞が血中にホルモンを分泌し標的細胞が受ける事で作用が発揮されること。
    (導管がなく内分泌細胞から直接血中へ)
    内分泌細胞 → 血液 → 標的細胞 → 受容体に結合 → 作用

・外分泌…分泌せれた物質は導管を通り体の外へ分泌されること。
    (汗、涙、消化液など(口から肛門までを体の外と考える))

・神経分泌…神経細胞がホルモンをつくり、軸索→神経終末→血中へ分泌し作用が発揮されること。
      神経細胞 → 神経終末 → 血液 → 標的細胞 → 作用

ポイント

内分泌=内分泌細胞 → 血液
神経分泌=神経細胞 → 血液

つまり、どちらも最終的には血液にホルモンを放出するけれど、「ホルモンを作る細胞」が違うと覚えるとOKです。

ホルモンを分泌する器官を内分泌腺(ないぶんぴせん)と呼びます。
血管の中に直接ホルモンを分泌し、血流に乗せて遠くの「標的細胞(ターゲット)」へ届けます。わずかな量でも特異的な効果を発揮するのが大きな特徴です。

ホルモン分泌器官

代表的なものには、以下のようなものがあります。

 視床下部・下垂体・松果体(脳のあたり)

 甲状腺・副甲状腺(首のあたり):副甲状腺は4つ背面にある!!

 膵臓(ランゲルハンス島)

 副腎・腎臓

 卵巣・精巣

ホルモンの種類

ゴロ:雨でずっ こけ/制 服 捨てる
   アミン→副腎髄質 甲状腺 / 性 副腎皮質 ←ステロイド

水溶性ホルモン と 脂溶性ホルモン

ホルモンはその化学的性質によって、大きく「水溶性」と「脂溶性」の2つに分けられます。
それぞれの違いを一覧表で整理してみましょう。

ホルモンの化学的性質による分類

ホルモンの種類受容体の存在部位化学構造による分類ホルモンの例
水溶性ホルモン細胞膜・ペプチド/タンパク質ホルモン   
・視床下部ホルモン、
下垂体ホルモンなど多数 
・アミノ酸誘導体ホルモン(アミン類)・カテコールアミン
脂溶性ホルモン細胞内 (細胞膜を透過する)・ステロイドホルモン 
・副腎皮質ホルモン、性ホルモン
・アミノ酸誘導体ホルモン(アミン類)・甲状腺ホルモン

細胞膜が脂質二重層のため、受容器が細胞膜上・細胞内 に分かれる

水溶性ホルモンはセカンドメッセンジャーを介してホルモンが作られる

ホルモン分泌の5つの特徴(調節の仕組み)

カラダの中でホルモンはただ漫然と出ているわけではありません。しっかりとした調節システムがあります。

(1) 階層的支配

脳の司令塔である①視床下部ホルモンが②下垂体前葉ホルモンの分泌を調節し、それがさらに③下位の内分泌腺からのホルモン分泌を調節するという「階層構造」になっています。

(2) フィードバック機構

「出すぎたら止める、足りなければ増やす」という仕組みです。

 ネガティブフィードバック: 血中の下位ホルモンの分泌が過剰になると、上位ホルモンの分泌を抑制させます

 ポジティブフィードバック: 排卵時 大量に分泌された下位ホルモンが、さらに上位ホルモン分泌を高めることもあります(例:卵胞期後半のホルモン急増など)。

(3)血液成分による調節

血液中の成分自体がホルモン分泌をコントロールします。

 血糖値がアップ ↑:インスリン分泌が促進され、血糖値が下がる。

 血糖値がダウン ↓:グルカゴン分泌が促進され、血糖値が上がる。

カルシウム濃度:副甲状腺ホルモン(上皮小体)、血中のカルシウム濃度上昇
  

(4) 自律神経による調節

副腎髄質、膵臓のランゲルハンス島(膵島)、消化管などの内分泌細胞から出るホルモンは、自律神経の調節を受けています。ホルモンの分泌は、自律神経の働きや、血液中の成分の濃度によってコントロールされています。

交感神経や副交感神経の刺激によって、内分泌腺からのホルモン分泌が促進される仕組みがあります。

例: 副腎髄質ホルモン(交感神経による調節)
  インスリン(迷走神経/副交感神経による調節 など)

(5)生体リズム

・日内変動
1日を周期として分泌量が変動するものです。
例: 糖質コルチコイドなど(早朝に多く、夜間に少ない)

・時間変動
より短い時間単位で変動するものです。
例: 成長ホルモンなど(1〜3時間周期で分泌されており、睡眠時に増加する)

・性周期変動
生理周期(月経周期)などに合わせて変動するものです。ホルモンの中には、一定の周期(リズム)で分泌され、それに伴って血中濃度が変動するものがあります。
例: 卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモンなど

自律神経を介したホルモン分泌

副腎髄質や膵島などは自律神経の支配を受けています。つまり、「自律神経を整える鍼灸施術」は、ダイレクトにホルモン分泌のバランス調整にもアプローチしていることになります。

慢性疲労や不定愁訴への視点

ホルモンの長期的な調節(内分泌系)は、神経の迅速な調節と違い、時間がかかります。不眠、気分の落ち込み、慢性疲労などを訴える患者様には、局所のコリだけでなく、視床下部–下垂体–副腎(HPA軸)の疲弊やフィードバック機構の乱れをイメージした全身調整(背部施灸や自律神経調整を目的としたツボ選定)が非常に有効です。

まとめ

私たちのカラダは、神経だけでなく、この内分泌系(ホルモン)という巧妙な化学ネットワークによって24時間体制でコントロールされています。

西洋医学的な生理学のベースをしっかり頭に入れておくと、東洋医学的な「気血水」や「五臓の働き(特に腎や肝)」ともリンクしやすくなり、臨床の引き出しがグッと広がりますよ!

ホルモンとその主な作用

分泌器官ホルモン主な標的組織主な作用
視床下部
(神経分泌)
放出ホルモン(GnRH、CRH等)下垂体前葉特異的なホルモンの分泌を刺激
抑制ホルモン(PIH、GHIH等)下垂体前葉特異的なホルモンの分泌を抑制
下垂体前葉成長ホルモン(GH)多くの組織タンパク質合成促進、成長促進
プロラクチン(PRL)乳腺乳房・乳腺の発育と乳汁産生・分泌
甲状腺刺激ホルモン(TSH)甲状腺甲状腺ホルモン分泌を促進
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)副腎皮質副腎皮質ホルモン分泌を促進
性腺刺激ホルモン(LH、FSH)性腺(卵巣・精巣)性腺機能を刺激
下垂体後葉
(神経分泌)
オキシトシン子宮収縮
乳腺射乳の誘発
バソプレシン(ADH)腎臓水の再吸収を促進
甲状腺
(アミン類 脂溶性)
甲状腺ホルモン(T4とT3)多くの組織代謝促進、正常な成長・発育に必須
カルシトニン骨・腎臓血中のCa²⁺濃度低下
副甲状腺(上皮小体)副甲状腺ホルモン(パラソルモン、PTH)骨・腎臓血中のCa²⁺濃度上昇
膵臓のランゲルハンス島(膵島)インスリン骨格筋・脂肪組織・肝臓血糖値低下
グルカゴン肝臓・脂肪組織血糖値上昇
ソマトスタチンランゲルハンス島インスリンとグルカゴンの分泌を抑制
副腎皮質
(ステロイド 脂溶性)
糖質コルチコイド(コルチコステロン、コルチゾール等)多くの組織血糖値上昇、抗炎症、胃酸分泌促進
電解質コルチコイド(アルドステロン等)腎臓Na⁺の再吸収促進、K⁺の排泄促進
副腎アンドロゲン女性における性欲亢進、陰毛発育
副腎髄質
(アミン類 水溶性)
カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン等)骨格筋、心筋、血管、肝臓・脂肪組織筋収縮力・心拍数・血圧・代謝率・血糖値の上昇
性ホルモン精巣
(ステロイド 脂溶性)
アンドロゲン(テストステロン)多くの組織男性第二次性徴の発現
生殖器官精子形成
性ホルモン卵巣
(ステロイド 脂溶性)
エストロゲン(エストラジオール等)多くの組織女性第二次性徴の発現
生殖器官卵胞発育・子宮粘膜肥厚・腟上皮増殖
プロゲステロン子宮妊娠の維持
乳腺発達の促進
消化管消化管ホルモン(ガストリン、セクレチン等)消化管・胆嚢・膵臓消化管機能の調節
腎臓レニン細胞外液量や血圧を調節(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)
エリスロポエチン骨髄赤血球の生成を促進
松果体メラトニン概日リズム
心臓心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)腎臓水とNa⁺の排泄の促進

ホルモンは、それぞれ決まった標的組織に作用し、成長・代謝・血糖・血圧・水分量・生殖など、身体のさまざまな機能を調節しています。

特に試験では、

  • GH → 成長促進
  • PRL → 乳汁産生
  • TSH → 甲状腺
  • ACTH → 副腎皮質
  • LH・FSH → 性腺
  • ADH → 水の再吸収
  • T3・T4 → 代謝促進
  • カルシトニン → Ca↓
  • PTH → Ca↑
  • インスリン → 血糖↓
  • グルカゴン → 血糖↑
  • アルドステロン → Na再吸収・K排泄
  • エリスロポエチン → 赤血球産生